紫外線蛍光(UVF)方式の表⾯清浄度測定は、非接触・非破壊で表面の汚染を検出できる革新的な技術として注目されています。

現代の製造業において、品質管理の精度はますます求められています。特に、塗装・接着・溶接・コーティングなどのプロセスでは、表面清浄度が製品の品質や耐久性に直結します。
表面清浄度
スキャニング
デバイス

製造現場では、部品の表面洗浄度を適切に判断する測定方法がないことが課題となることが多いです。従来の手法では、目視検査や簡易的な拭き取り試験が主流でしたが、客観性に欠ける、時間がかかる、微細な汚染を検出できない という問題点があります。

紫外線蛍光方式が解決策に

このような状況に対応するために、紫外線蛍光方式 を用いた表面清浄度測定が有効です。この方法では、紫外線を照射することで表面に残る汚染物質が発する蛍光を検出し、汚染の有無や程度を即座に可視化できます。

UVF:Ultraviolet Fluorescence

紫外線蛍光方式の表⾯清浄度測定

UVF方式では、紫外線(UV)を表面に照射し、汚染物質(油分、グリース、有機残留物など)が発する蛍光を検出します。この蛍光の強度や分布を解析することで、表面の清浄度を評価することが可能です。

紫外線蛍光表面スキャニング

  1. 紫外線励起 - 汚染物質に紫外線を照射。
  2. 蛍光発光 - 紫外線を吸収した汚染物が可視光を放出。
  3. 検出 - 高感度センサーで蛍光を捉える。
  4. 解析 - 蛍光の強度や分布を分析し、汚染レベルを評価。

紫外線蛍光(UVF)方式のメリット

  1. 非接触・非破壊で製品を傷つけずに測定可能。
  2. 高感度検出により微細な汚染も可視化。
  3. リアルタイム分析で製造工程の最適化を実現。
  4. 環境負荷が少ないため、持続可能な品質管理に貢献。

 表面清浄度測定 適用分野

UVF方式による表面スキャニングは、以下のような業界で活用されています。
 
  • 自動車業界(塗装・接着前の油分チェック)
  • 航空宇宙業界(航空機部品の表面品質管理)
  • 電子機器業界(半導体や基板の汚染検出)
  • 医療機器業界(滅菌後の表面清浄度検査)
  • 金属加工業界(溶接・コーティング前の品質管理)
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ハンディータイプのスキャニングデバイス

Recognoil® 3W

  1. 紫外線(UV)光の放出:
    Recognoil 3Wデバイスは、波⻑365 nm のUV-A範囲の紫外線を放出します。このタイプの光は⾁眼では⾒えませんが、物質の表⾯に存在する特定の物質と相互作⽤するのに⼗分なエネルギーを持っています。

  2. 汚染物質の励起:
    UV 光が表⾯に照射されると、存在する油、グリース、または他の有機物質と相互作⽤します。これらの物質はUV光のエネルギーを吸収し、その分⼦を励起します。

  3. 蛍光の放出:
    UV エネルギーを吸収した後、励起された分⼦は可視光としてエネルギーを放出します̶これが蛍光です。放出される光は通常、可視スペクトル内の異なる波⻑であり、汚染を検出器に⾒えるようにします。

  4. 検出と分析:
    Recognoil 3Wデバイスは、この放出された蛍光光を捉える敏感な検出器を備えています。デバイスは、表⾯にわたる蛍光の強度と分布を分析します。このデータは蛍光マップを作成するために処理され、これにより材料の表⾯における汚染のレベルと位置が視覚的に表されます。

  5. 結果:
    蛍光の強度は蛍光ユニット(F.U.)で測定されます。デバイスはスキャンされたエリアに対して平均F.U.値を提供し、また、より⾼い汚染がある特定のエリアを強調表⽰することもできます。この情報は、塗装、コーティング、溶接などのさらなる処理を進める前に、ユーザーが表⾯の清潔さを評価するのに役⽴ちます。
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デスクトップタイプのスキャニングデバイス

Recognoil® QB

お問合せ先

レイボルド株式会社
大阪支店
〒532-0003大阪市淀川区宮原3丁目5番24号新大阪第一生命ビル2F

営業部 奥野誠大(Masahiro Okuno)
E-mail:m-okuno@leybold-kk.com
電話:06 6392 0560